彼女を10日でオトします~裏話・番外編~
「えー、本日はお日柄も良く――」

「だいたいさあ、俺のこと悪く書きすぎじゃない? あいつ。
こーんなに優しくていいやつなのにさ、たっしーは」

「――まさに、パーティー日和と申しますか――」

「悪さの部分は、本人に忠実だと思うぜ」

「えー、ヒデ、それ酷くない?
それにさ、あいつ、頭悪いでしょ。
俺の考えてることの半分も再現できてないでやんの」

「――ほ、本日皆様にお集まりいただいたのは、他でもない――」

「戸部、その気持ちは良くわかる。
あやつの脳みそはニワトリ以下だからな。
う゛!! 何だ、これは」

「クリームシチューよ。私が作ったの。遠慮なさらずに召し上がって」

「――完結記念のパーティーを……ってちょっと……あの……」

「たわけ!! クリームシチューが炭なわけがあるか!!」

「なんですって! 我が侭言ってないで食べてみなさいよ。食べ物を見た目で判断するなんて、皇士郎さんって案外小さい男ね」

「――話、聞こうよ、ね、皆。ほら、作者さんが、ありがたぁい話をしてますよー」

「こんなもの食えるか! 見栄えも料理のうちだ! 食欲をそそる見た目無くして食い物とは言わん」

「……たすくさん。皇士郎さんに向けての、その期待に満ちた目は何?」

「あ、いえ、その……あ、ほら、かんぱーい!!」

 ええ!! 言っちゃった!!
 たすく、「乾杯」って言っちゃったよ。
 ……私の役目は?

「乾杯!!」×私以外全員

 皆もたすくにのっちゃうの?

「……か、かんぱい」

 私の声は、賑やかな声にかき消され、パーティーの幕は開ける。

「あ、そういやあ、たすく、2次会はうちの店に来いって姉貴が言ってたぞ」

「かおるん、マジで? きらたんさんに会いたあい!!
行こ、行こ。……作者抜きで」

 ……もう、いいです、はい。


          了
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