【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています

「待ちなさいよ。私に訊きたいことはないの？」

「……ありません」

「ふうん？　私はね、あんたのそういうところが苛つくのよ」

いきなり鬼のような形相で睨みつけられ、私は立ち竦んだ。

とうとう私は、持って行き場のない感情が溢れてしまう。

「私……郷田さんに何かしましたか……？　カレンダー通りのシフトのことなら、変更できます。郷田さんのシフトと交代しても……」

「シフト？　私は平日休みのほうが都合いいのよ？　どこに行っても人が少ないし、買い物もしやすいし」

「じゃあ……」

「あんたが来るまで、私はここの清掃員の中で一番若かったの」

郷田さんが何を言い出したのか理解できなかった。
「若い……？」

「そう。みんなにちやほやされてね。でもあんたが来てから、私はなぜか性格のきついおばさん扱いになったのよ。こんなの許せる？」