【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
そして翌日の午後三時頃、旦那さまは到着した。
泉がお昼寝から目覚めたところだったので、しばらく泉の遊びに付き合ってもらう。
パートを辞める件は、今朝矢野さんに電話すると、『それならもう今日から来なくていいよ』と呆気なく受け入れられ、私はすでに職を失っていた。あとは制服などの貸与品を返しに行くだけだ。
けれど旦那さまは、矢野さんと同じようにはいかなかった。
私の決意を聞くと、渋い表情で唸る。
「どうしても樹と離れ、ここを出ていくと言うんだね?」
「はい」
私は旦那さまに何を言われようと、翻意するつもりはなかった。
「犀川家のためにはそれが正しいんだろう。だが、樹の気持ちを考えると……。最近とみに思うんだ。莉帆ちゃんと離れていた二年間の樹は樹じゃなかったと。樹は莉帆ちゃんがいない人生なんて考えられないんじゃないのかと」
「私も今はまだ、いっちゃんがいない人生なんて考えられません。それくらい、ずっと一緒だったから。でもいっちゃんはいつまでも私と家族ごっこなんてしてちゃいけないんです」
泉がお昼寝から目覚めたところだったので、しばらく泉の遊びに付き合ってもらう。
パートを辞める件は、今朝矢野さんに電話すると、『それならもう今日から来なくていいよ』と呆気なく受け入れられ、私はすでに職を失っていた。あとは制服などの貸与品を返しに行くだけだ。
けれど旦那さまは、矢野さんと同じようにはいかなかった。
私の決意を聞くと、渋い表情で唸る。
「どうしても樹と離れ、ここを出ていくと言うんだね?」
「はい」
私は旦那さまに何を言われようと、翻意するつもりはなかった。
「犀川家のためにはそれが正しいんだろう。だが、樹の気持ちを考えると……。最近とみに思うんだ。莉帆ちゃんと離れていた二年間の樹は樹じゃなかったと。樹は莉帆ちゃんがいない人生なんて考えられないんじゃないのかと」
「私も今はまだ、いっちゃんがいない人生なんて考えられません。それくらい、ずっと一緒だったから。でもいっちゃんはいつまでも私と家族ごっこなんてしてちゃいけないんです」