【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「……今まで本当にありがとうございました」
私は旦那さまに頭を下げた。これ以上話すことも、聞きたいこともなかった。私は自分の運命を、全部そのまま受け入れる。
そのとき私のスマートフォンが大きな音を立てて着信を告げた。
画面を見やると、そこに表示されていたのはいっちゃんの名前だった。
「……」
「私に気にせず出て構わないよ」
固まる私に、旦那さまは優しく促した。
「……電話、いっちゃんからです」
「樹?」
出張中のはずのいっちゃんからの思いがけない電話に、旦那さまは虚を衝かれた顔をした。
私はためらいながらも通話ボタンをタップする。
「はい……」
『莉帆、今何をしているんだ?』
開口一番に強い語気で尋ねられ、私は戸惑った。
「いっちゃんこそ何してるの? 出張中じゃないの?」
『さっき帰ってきた。それで莉帆は今、何をしているんだ?』
いっちゃんはなぜか執拗だった。明らかにいつもと様子が違う。どこか私を責め立てるような色を感じ、本能的な胸騒ぎがした。私が今何をしているのかなんて、それほど気になることだろうか。
私は旦那さまに頭を下げた。これ以上話すことも、聞きたいこともなかった。私は自分の運命を、全部そのまま受け入れる。
そのとき私のスマートフォンが大きな音を立てて着信を告げた。
画面を見やると、そこに表示されていたのはいっちゃんの名前だった。
「……」
「私に気にせず出て構わないよ」
固まる私に、旦那さまは優しく促した。
「……電話、いっちゃんからです」
「樹?」
出張中のはずのいっちゃんからの思いがけない電話に、旦那さまは虚を衝かれた顔をした。
私はためらいながらも通話ボタンをタップする。
「はい……」
『莉帆、今何をしているんだ?』
開口一番に強い語気で尋ねられ、私は戸惑った。
「いっちゃんこそ何してるの? 出張中じゃないの?」
『さっき帰ってきた。それで莉帆は今、何をしているんだ?』
いっちゃんはなぜか執拗だった。明らかにいつもと様子が違う。どこか私を責め立てるような色を感じ、本能的な胸騒ぎがした。私が今何をしているのかなんて、それほど気になることだろうか。