【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
今すぐここを離れたい――そう願っていると、いっちゃんは私の心を読んだかのように私と奥さまの間に立ちはだかる。
「こんな騒がしいパーティーで、ゆっくり食事なんてできないだろ。下の階のホテルに部屋を取ってるから、そこで莉帆に何かルームサービスでも頼んでくる」
「いっちゃん、いいよ。私すぐに帰――」
言いかけたのをいっちゃんに、「いいから」と小声で制された。
「そうね。ぜひそうしてあげて。莉帆ちゃん、おつかいのお礼なんだから遠慮しなくていいのよ。たくさん頼みなさいね。樹、莉帆ちゃんを部屋に案内したら、すぐに戻ってくるのよ」
いっちゃんは奥さまに返事をせず、私を会場から連れ出した。
内廊下で戸惑う私に、いっちゃんは目をすがめる。
「莉帆のおかげで抜け出せた」
「え?」
「こんな馬鹿馬鹿しいパーティーだって知ってたら、最初から来なかったよ」
どうやらいっちゃんは、すでに奥さまの目論見に気づいていたようだった。私ですら違和感を覚えたくらいだから、当然かもしれない。
「こんな騒がしいパーティーで、ゆっくり食事なんてできないだろ。下の階のホテルに部屋を取ってるから、そこで莉帆に何かルームサービスでも頼んでくる」
「いっちゃん、いいよ。私すぐに帰――」
言いかけたのをいっちゃんに、「いいから」と小声で制された。
「そうね。ぜひそうしてあげて。莉帆ちゃん、おつかいのお礼なんだから遠慮しなくていいのよ。たくさん頼みなさいね。樹、莉帆ちゃんを部屋に案内したら、すぐに戻ってくるのよ」
いっちゃんは奥さまに返事をせず、私を会場から連れ出した。
内廊下で戸惑う私に、いっちゃんは目をすがめる。
「莉帆のおかげで抜け出せた」
「え?」
「こんな馬鹿馬鹿しいパーティーだって知ってたら、最初から来なかったよ」
どうやらいっちゃんは、すでに奥さまの目論見に気づいていたようだった。私ですら違和感を覚えたくらいだから、当然かもしれない。