【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「母さんに話すのはいつがいいだろう?」

いっちゃんは早速、旦那さまに意見を求めた。

「そうだな。来週末にあるベリーヒルズビレッジの四十周年パーティーの日がいいんじゃないだろうか。少し早めに会場に到着するように、私が手配しよう」

それはさきほど旦那さまが、奥さまがいっちゃんに女性を会わせようとしていると言っていたパーティーだった。けれど旦那さまはその前に、話し合いの席を設けようとしてくれたのだ。

私は心の中で、見たこともないその女性を想像する。私は彼女より、いっちゃんに相応しいだろうか。

きっと否だ。

でも私は、いっちゃんを好きな気持ちだけは誰にも負けない。私ほどいっちゃんを好きな子はいない。

いっちゃんの勢いに焚きつけられて、そんなことを思う。

「来週末のパーティーか」

いっちゃんは噛み締めるように呟いた。

パーティーは十日後だ。

あとはもう、運命に身を委ねるしかなかった。


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