【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
ベリヒルドリーム
ベリーヒルズビレッジ四十周年パーティーが二日後に迫った日のことだった。

いっちゃんは今までと変わらず、仕事を終えるとうちにやってきて、すぐに帰っていく生活が続いていた。けれどその日は昼頃、仕事の合間に立ち寄ってくれ、一緒にお昼ごはんを食べた。

「ねえいっちゃん、明後日だけど、私どんな服装で行ったらいいのかな?」

旦那さまや奥さまと落ち合う場所はパーティー会場だけれど、私たちの目的は奥さまとの話し合いだ。どちらにも相応しい服装がわからず、私は困っていた。スーツで行く予定のいっちゃんに合わせて、私もスカートスーツなどにすればいいのだろうか。

「ああ、服装な。俺が何かよさそうなものを用意しておくよ」

食後にリビングで泉とじゃれ合っていたいっちゃんが振り向いた。その姿はもうどこからどう見ても本物のパパだ。

「ほんと?」

そうしてもらえるとありがたかった。私はセンスもこだわりもないし、どうせ買わなければ着ていけるものを持っていない。本当は服装どころじゃないけれど、身なりを整えるのも大切だ。

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