【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「二年間、元気にしていたのか?」

「うん……。いっちゃんも元気だった……?」

「ああ。相変わらず母さんと反りが合わなくて、見ての通りホテル暮らし中だが」

「そうなんだね……」

旦那さまと連絡を取り合っていることは、もちろんいっちゃんには内緒だった。

「莉帆は内定していた会社には行かず、ずっとここで働いていたのか?」

「ううん……。ここは一ヶ月前に採用してもらったの」

「なら、それまでは?」

「それまでは……」

私は早速言葉を詰まらせた。まさか無職で出産し、子育てをしていたなんて言えるはずがない。

いっちゃんは真剣な面差しで、すぐさま私に釘を刺す。

「もし事実なら、隠さないでくれ。莉帆が未婚で子どもを育てていると、人づてに聞いた。本当か?」

私は目を瞠った。まさかいっちゃんが知っていたなんて想定外だった。

「……うん、ほんとだよ……」

正直に首肯すると、いっちゃんはしばらく目を瞑り、何かを噛み締めているようだった。

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