【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「仕事の間、子どもは?」
「この建物内に託児所があるから、そこで預かってもらってるんだ」
すると少しの沈黙のあと、いっちゃんは声をひそめる。
「子どもの父親は?」
私を妹のように思っているいっちゃんにとっては、当然気になるだろう。けれど固く口を噤んだ私に、いっちゃんはすぐに「ごめん」と謝った。
「言いたくないなら無理には訊かない。……だが二年前のことは……、この話も莉帆はしたくないんだろうが、そういうわけにはいかないんだ」
言葉を選びながら、いっちゃんは慎重にあの夜のことを持ち出した。
「酔った勢いのつもりじゃなかったが、莉帆になかったことにされたから、時間を置いてもう一度話そうと思っていた。でもいきなり莉帆と連絡が取れなくなって、こんなに遅くなってしまった」
いっちゃんは一心に私を見つめた。
そうして覚悟を滲ませながら口にする。
「俺は生半可な気持ちで莉帆を抱いたんじゃない」
「……え? いっちゃんはあの夜、私だってわかってたの……?」
思いがけない真実に、私は声を震わせた。
「この建物内に託児所があるから、そこで預かってもらってるんだ」
すると少しの沈黙のあと、いっちゃんは声をひそめる。
「子どもの父親は?」
私を妹のように思っているいっちゃんにとっては、当然気になるだろう。けれど固く口を噤んだ私に、いっちゃんはすぐに「ごめん」と謝った。
「言いたくないなら無理には訊かない。……だが二年前のことは……、この話も莉帆はしたくないんだろうが、そういうわけにはいかないんだ」
言葉を選びながら、いっちゃんは慎重にあの夜のことを持ち出した。
「酔った勢いのつもりじゃなかったが、莉帆になかったことにされたから、時間を置いてもう一度話そうと思っていた。でもいきなり莉帆と連絡が取れなくなって、こんなに遅くなってしまった」
いっちゃんは一心に私を見つめた。
そうして覚悟を滲ませながら口にする。
「俺は生半可な気持ちで莉帆を抱いたんじゃない」
「……え? いっちゃんはあの夜、私だってわかってたの……?」
思いがけない真実に、私は声を震わせた。