【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
けれど予想外の反応に、私は弾かれたように顔を上げる。

「え?」

「俺たちは幼なじみだろう? これくらいで壊れるような浅い関係じゃない」

いっちゃんはもう私への恋心はなく、吹っ切れているようだった。

けれど幼なじみとしてでも、絶対にだめだ。きっと私が耐えられない。もしもこれで連絡を取り続けたら、きっととんでもないことになる。私には確信に近い予感があった。

でもどうしても、だめだと言えない。

「近いうち、食事にでも行こう。莉帆の子どもに会わせてほしい」

兄妹みたいな関係だった、私たちの距離の近さを痛感する。お互いに恋愛感情がなくたって、そばに居続ける理由はいくらでもあるのだ。あの夜のことなければ、私たちは普通の家族みたいに死ぬまで一緒だったはずだった。

いっちゃんが今でもその関係を望むなら、私に彼を拒むのは不可能だった。


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