【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
三人でお散歩みたいにゆっくり歩きながら、おじいちゃんは二年前の出来事を持ち出す。
「莉帆ちゃんはわしの命の恩人だからな」
「大げさですよ」
「いいや。あのとき、転んだわしに手を差し伸べてくれたのは莉帆ちゃんだけだった。身重の体で、なんて優しい子なんだろうと、わしは感動したよ。いつか恩返しするといつも思っているんだ」
「今日の和菓子で十分すぎるくらいのお返しです」
私は冗談めかして笑った。怪我をしている人を助けるのは当たり前のことで、あのときは無意識に倒れているおじいちゃんに駆け寄っていたのだ。けれどおじいちゃんは二年経った今でも私に感謝しているようで面映ゆかった。
「しかし莉帆ちゃん、今日はあまり元気がないな。何かあったのか?」
不意に鋭く、おじいちゃんが私に問いかけた。
私はぱちぱちと瞬きをする。おじいちゃんに感づかれるくらい、私はわかりやすく顔に出ていたのだろうか。おじいちゃんはときどき、老人とは思えないくらい鋭敏な様を垣間見せるときがある。
「おじいちゃん……聞いてくれますか?」
「莉帆ちゃんはわしの命の恩人だからな」
「大げさですよ」
「いいや。あのとき、転んだわしに手を差し伸べてくれたのは莉帆ちゃんだけだった。身重の体で、なんて優しい子なんだろうと、わしは感動したよ。いつか恩返しするといつも思っているんだ」
「今日の和菓子で十分すぎるくらいのお返しです」
私は冗談めかして笑った。怪我をしている人を助けるのは当たり前のことで、あのときは無意識に倒れているおじいちゃんに駆け寄っていたのだ。けれどおじいちゃんは二年経った今でも私に感謝しているようで面映ゆかった。
「しかし莉帆ちゃん、今日はあまり元気がないな。何かあったのか?」
不意に鋭く、おじいちゃんが私に問いかけた。
私はぱちぱちと瞬きをする。おじいちゃんに感づかれるくらい、私はわかりやすく顔に出ていたのだろうか。おじいちゃんはときどき、老人とは思えないくらい鋭敏な様を垣間見せるときがある。
「おじいちゃん……聞いてくれますか?」