【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
客室の清掃はまず、カーテンをすべて開け、明るくするところから始まる。わずかな塵や埃、汚れを見逃さないようにするためだ。
けれど思いがけずリビングに男性らしき長身の人影を見つけ、ドキッとする。
「申し訳ございません。すぐに退出いたします」
私はすぐさまその場に立ち止まり、頭を下げた。
まさかまだお客さまがいるなんて、とんだ確認ミスだ。お客さまの中には清掃員の顔を見るだけで気分を害される方もいるのに、最上級のインペリアルスイートルームで遭遇してしまうなんて始末書ものだった。
「大丈夫ですよ。少し忘れ物を取りに戻ってきただけですから、気にせずに続けてください」
けれどお客さまは、不手際のあった清掃員にすら優しい物腰の方だった。
私は安堵し、ゆっくりと顔を上げる。
同時に、男性が私に視線を向けた。
その瞬間、私も彼も瞬きを忘れてしまう。
「……莉帆?」
男性は目を見開き、震える声で私の名前を呼んだ。
私は鼓動がどうしようもなく乱れ、息ができなくなる。
この世でたったひとりの私の愛した人と、二年ぶりの再会だった。
けれど思いがけずリビングに男性らしき長身の人影を見つけ、ドキッとする。
「申し訳ございません。すぐに退出いたします」
私はすぐさまその場に立ち止まり、頭を下げた。
まさかまだお客さまがいるなんて、とんだ確認ミスだ。お客さまの中には清掃員の顔を見るだけで気分を害される方もいるのに、最上級のインペリアルスイートルームで遭遇してしまうなんて始末書ものだった。
「大丈夫ですよ。少し忘れ物を取りに戻ってきただけですから、気にせずに続けてください」
けれどお客さまは、不手際のあった清掃員にすら優しい物腰の方だった。
私は安堵し、ゆっくりと顔を上げる。
同時に、男性が私に視線を向けた。
その瞬間、私も彼も瞬きを忘れてしまう。
「……莉帆?」
男性は目を見開き、震える声で私の名前を呼んだ。
私は鼓動がどうしようもなく乱れ、息ができなくなる。
この世でたったひとりの私の愛した人と、二年ぶりの再会だった。