【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「……大丈夫。来客用の駐車場があるよ」

この状況では逃げられないと、私は観念した。

旦那さま申し訳ございません。隠れ家に購入した物件を息子のいっちゃんに知られてしまいます。心の中で謝罪した。

私の職場兼いっちゃんが宿泊中のホテルが入ったオフィスビルの横を通過し、レジデンスがある方角に向かう。

「……そこ、左だよ」

「え? 左?」

いっちゃんは私の指示に戸惑いつつ、左折した。

「……で、右。そのレジデンスの一階が駐車場になってるんだ。……私、その上に住んでるの」

言いにくそうに告げると、いっちゃんは面食らった顔になる。

「莉帆、おまえ……」

これで私は確実に、どこかの富豪のおじさんの愛人あたりだと思われただろう。

いっちゃんはチャイルドシートから泉を降ろし、部屋の前まで抱いていってくれた。

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