【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
まさか部屋に入ると言い出すのでは……と恐れていると、目を覚ました泉がいっちゃんに満面の笑みで手を振る。

「ばいばい」

さすがに泉にさよならを告げられれば、いっちゃんも退くしかなかった。

「……じゃあ、俺はここで。また連絡する」

訊きたいことが山ほどあると顔に書いていたけれど、いっちゃんはとりあえず一旦持ち帰ることにしてくれたようだった。

私はほっとする。

「うん。それじゃあまた」

部屋の前で別れ、私は泉と中に入った。間もなく扉の向こうからいっちゃんの気配が消える。

「泉、助かったよありがとう。でも泉にばいばいって言われて、いっちゃんショックを隠しきれてなかったね」

食事中はあんなに懐いておいしいものをたくさん食べさせてもらったのに、泉はなかなか小悪魔なのかもしれなかった。


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