【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「いいよ……」

どこか投げやりになった私に、いっちゃんは悲しそうな表情になる。

「そんな絶望した顔をされると、俺も傷つくんだが」

「……」

「泉くんの父親が来るときは、前もって言ってくれれば鉢合わせにならないように気をつけるから」

「うん、ありがとう……」

いっちゃんが私を思いやってくれるのは本当にうれしい。でも私はこれを喜んじゃだめなのだ。

とりあえずいっちゃんはその件を話したかっただけらしく、コーヒーを飲むとすぐに帰った。

ひとりになってからいっちゃんが持ってきてくれた箱を開けると、そこにはケーキが十個も入っていて、私は目を疑う。どうりで箱が大きすぎると思った。こんなにたくさん、私と泉で食べきれるはずがない。

「明日、おじいちゃんに食べに来てもらおうかな……」

つい先日お茶をしたばかりだったけれど、いっちゃんとのことを誰かに聞いてもらわないとパンクしそうだった。

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