【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「それで、彼は実家に帰ったのか?」
「たぶん。今日私が仕事に行ったら、すでにホテルをチェックアウトしていました」
相変わらずの素早さだった。
「ではこれからは秘めやかな妻問婚だな」
「妻問婚?」
私は首を傾げた。
「一緒には住まずに、夫が妻の家に通う婚姻形態のことだよ。平安時代はそれが主流だったんだ。莉帆ちゃんと彼はまるでそのようだ」
おじいちゃんは大昔の結婚事情を持ち出し、楽しそうに語った。
「私たちは結婚してないですよ」
苦笑いすると、おじいちゃんは「でも実際は泉くんの父親と母親だろう」と秘密を口にする。
「まあしばらくは流れに身を任せ、彼の好きなようにさせてやってもいいんじゃないか。そうしたら彼の気が済むかもしれんし、はたまた自分の子がほしいと思うようになりほかの女性との結婚を考えるかもしれん」
「そうでしょうか……」
「彼の胸の内は彼にしかわからんし、先のことは誰にもわからんがね」
要は私には何もわからないのだ。それならばおじいちゃんの言う通り、成り行きに身を委ねるしかないのかもしれない。
「たぶん。今日私が仕事に行ったら、すでにホテルをチェックアウトしていました」
相変わらずの素早さだった。
「ではこれからは秘めやかな妻問婚だな」
「妻問婚?」
私は首を傾げた。
「一緒には住まずに、夫が妻の家に通う婚姻形態のことだよ。平安時代はそれが主流だったんだ。莉帆ちゃんと彼はまるでそのようだ」
おじいちゃんは大昔の結婚事情を持ち出し、楽しそうに語った。
「私たちは結婚してないですよ」
苦笑いすると、おじいちゃんは「でも実際は泉くんの父親と母親だろう」と秘密を口にする。
「まあしばらくは流れに身を任せ、彼の好きなようにさせてやってもいいんじゃないか。そうしたら彼の気が済むかもしれんし、はたまた自分の子がほしいと思うようになりほかの女性との結婚を考えるかもしれん」
「そうでしょうか……」
「彼の胸の内は彼にしかわからんし、先のことは誰にもわからんがね」
要は私には何もわからないのだ。それならばおじいちゃんの言う通り、成り行きに身を委ねるしかないのかもしれない。