【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「そうなんだ……。男のロマンかな……? よくわからないね泉……」

私と泉はしばらくいっちゃんを見守ることにした。いっちゃんは心置きなくゴリラを堪能すると、私と泉を振り向く。

「で、実のところ、泉くんは何が見たいんだ?」

「あ、ほら、やっぱりいっちゃんわかってなかったんじゃない。泉はライオンさんの絵本が好きだから、ライオンさんが見たいよね?」

おとなげなくゴリラゾーンから向かったいっちゃんが、なんだか子どもみたいで可笑しかった。けれど楽しそうな様子が見られて、なんだか幸せな気持ちだ。

「じゃあ次はライオンだな」

私たちはサバンナゾーンにある猛獣の檻へ向かった。けれどライオンはみんなだらしなく横たわっていて、ピクリとも動かない。

泉はしょんぼりする。

「ねんね」

「ほんとだね、百獣の王なのにだらだらだね」

「ライオンは狩りや戦いに備えて、昼間は無駄なエネルギーを使わないように休んでいることが多いんだって」

するといっちゃんは看板の文字を読んでライオンをフォローした。とはいえ泉にとって興味のそそられる姿じゃなかったから、すぐにその場を離れる。

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