【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
けれどあの日、夢見心地でお屋敷に帰ってから、いっちゃんが『莉帆の誕生日を楽しくしてあげよう!』と事前に計画したのだと、旦那さまが私に種明かししてくれたのだ。あの日、両親に捨てられた私は初めて、生まれてきたことに感謝した。
「いっちゃんありがとう……」
十八年ぶりに、私は小さな声でお礼を言った。いっちゃんはまたぞうに視線を戻していて、ただ笑みをたたえている。
いっちゃんとはかけがえのない思い出がありすぎた。
帰り際、売店に寄ると、泉はゴリラコーナーで立ち止まり、動かなくなった。
「え、泉、もしかしてゴリラがほしいの?」
「ん!」
泉は頷き、ゴリラに手を伸ばした。
「向こうにライオンさんもいるよ?」
私は慌てて泉の関心をほかに向けようとした。けれど泉は頑なで、ゴリラがいいと主張する。
「やだ……、めちゃくちゃいっちゃんの影響受けちゃってるじゃない……」
「なんでやだよ? よーし泉くん、俺が一番かっこいいゴリラを買ってやろう」
「いっちゃんありがとう……」
十八年ぶりに、私は小さな声でお礼を言った。いっちゃんはまたぞうに視線を戻していて、ただ笑みをたたえている。
いっちゃんとはかけがえのない思い出がありすぎた。
帰り際、売店に寄ると、泉はゴリラコーナーで立ち止まり、動かなくなった。
「え、泉、もしかしてゴリラがほしいの?」
「ん!」
泉は頷き、ゴリラに手を伸ばした。
「向こうにライオンさんもいるよ?」
私は慌てて泉の関心をほかに向けようとした。けれど泉は頑なで、ゴリラがいいと主張する。
「やだ……、めちゃくちゃいっちゃんの影響受けちゃってるじゃない……」
「なんでやだよ? よーし泉くん、俺が一番かっこいいゴリラを買ってやろう」