【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
泉の反応に気をよくしたいっちゃんは、ゴリラを吟味し始めた。と言ってもやっぱり裏返してはゴリラの背中ばかり見ている。こっちのほうが逞しいな? なんて真剣な呟きに、やっぱりいっちゃんって変だなと思いつつ、私もなんだかゴリラが気になってきた。

結局は泉が直感で掴んだゴリラのぬいぐるみを購入し、動物園をあとにする。

帰り道、どこかで夕食を済ませようと言ういっちゃんに、私はファミレスがいいと希望した。高級なお店ではなく、泉を普通の家の子どものようなところに連れて行ってあげたかったからだ。

泉は行儀よくファミレスで過ごせた。遊び疲れたのだろう、レジデンスに送ってもらう頃にはすっかり夢の中だった。

「いっちゃん、今日はすごく楽しかったよ。本当にありがとう」

私はいっちゃんにお礼を言い、泉をチャイルドシートから降ろそうとした。

「お土産とか荷物もあるし、泉くんは俺が部屋まで抱いてくよ」

けれどいっちゃんはわざわざ車を降りて、泉を寝室まで連れて行ってくれる。

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