【極上の結婚シリーズ】ママになっても、御曹司に赤ちゃんごと包み愛されています
「いっちゃん、せっかくだからコーヒーでも飲んでく?」

「ああ、そうだな」

私はキッチンに向かい、フィルターにコーヒーの粉を入れた。そうしてその上に湯を注ぎ、マグカップをふたつ持ってリビングに行く。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

向かい合って座りながら、私はなにげなくテーブルの上に置いたお土産の紙袋を開けた。

ゴリラのぬいぐるみは、泉が起きたらすぐに見られるように寝室に運んでおこう。お菓子のお土産は職場への差し入れだ。私は自分には何も買わなかった。

けれど紙袋の中に、見覚えのない厚紙のようなものが入っているのに気がつく。

「何これ?」

それは動物園の台紙に貼られた、私と泉、いっちゃんの三人の写真だった。

今朝動物園の入場ゲートで、カメラマンに撮られたものだ。

すっかり忘れていた私は目を丸くする。

「え? いっちゃんが買ってくれたの? いつの間に?」

とっさにいっちゃんを見た。お土産の会計はいっちゃんがまとめてしてくれたから、そのときだろうか。

「ああ、よく映ってるだろう」

「……うん。泉、すごくうれしそう」

泉は私といっちゃんに挟まれて手をつなぎ、満面の笑みを浮かべていた。

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