Return ー2度目の人生ー
「とりあえず学校まで行けそうか?」
差し出された手を掴んで立ち上がる。
「はい、大丈夫です」
そう言うと、これ以上迷惑をかけてはいけないと私は彼の背を押した。
「おい」
私でも遅刻ギリギリの時間に、新しくきた教師が遅れていないわけがない。
「時間やばいんじゃないですか?私は本当にもう大丈夫なんで! どうぞ行ってください」
「あ、そうだった。悪い。じゃ先行くから」
彼はそう言うと、思い出したように時計をチラリと見て心配そうな表情を見せたあと、慌てて走って行った。
私はというと、もう走る気力も残っておらず
だらだらと歩きながら学校に向かった