Return ー2度目の人生ー
「着いたぞ」
ぼーっと景色を眺めているとすぐに家に着いた
振動が止まると私はバイクから降りてヘルメットを先生に渡す。
「ありがとうございました」
そう言って先生にお辞儀をする。
「明日は遅れず学校来いよ」
先生はそれだけ言うとすぐにエンジンをかけ行ってしまった。
私はしばらくその後ろ姿を見つめていた。
先生は時々悲しい目をする。
まだ会って間もないけど私にはそれが分かった。
あれは辛い経験をしたことがある人の目だ。