Return ー2度目の人生ー
期待
翌日、先生に遅れるなと言われたからという訳ではないが、いつもよりはやく学校に着いた。
教室に入ってもまだちらほらとしか来ていない。
私はあんまり音が立たないように椅子を引いた。
すると、さっきまで突っ伏して寝ていた横の席の彼がガバッと起き上がった。
うわ、びっくりした
「あれ?松原さんはやいじゃん」
でた、武島颯
「…おはよう」
「うわ、松原さんから挨拶してくれた!嬉しーおはよ!」
う、そんな子犬みたいな目で見ないでよ
私は目を逸らして席に座る。
「なんでこんなに今日早いん?」
「まぁ、早く目覚めたから…」
「自分で起きてるんだ?すげぇな。俺は部活で朝練あるからさ、来るの早いんだ」
聞いてもないことをペラペラと話し続けている。
私はシンプルにそんな彼を尊敬しながら素っ気ない返事だけをしていた。
それから彼はHRがはじまり原田先生が教室に来るまでずっと喋り続けていた。