Return ー2度目の人生ー
「日茉莉ってさぁ、なんか部活入ってたっけ?」
放課後、後ろから肩をトントンっと叩かれ、振り返ると美桜が問いかけてきた。
「ううん、帰宅部だよ」
「そっかぁ」
「美桜は?」
「私はテニス部入ってるから一緒に帰れないね〜。
ま、もうすぐ引退だけどねっ」
テニス部という返答に妙にしっくりきたのは、彼女の少し焼けた肌をみていたからだ。
「部活、がんばってね」
私はそう言って立ち上がるとかばんを左肩にかけて、美桜に向かって軽く手を振り、教室をあとにする。
一応、知香のクラスもみていくか…
いつも一緒に帰る約束をしているわけではないけれど、なんだかんだよく帰ることになるわけで、姿が見えれば一緒に帰ろうと思って、彼女のクラスに寄ってみることにした。
たしか1組だったっけ?
1組の教室を後ろのドアから覗いてみたが、知香の姿を見あたらない。
「あの、永友知香って今日いますか?」
仕方なく後方に座っていた女の子に声をかけてみる。
「永友さん?ってあのギャルの?」
…ギャル笑
「あ、そうですそうです」
私は苦笑しながら頷く。
「あー…今日は来てないと思いますけど」
「あ、そうなんですね、ありがとうございます」
まぁ、知香が学校に来ないことは珍しいことではないから驚きはしない。
答えてくれた女の子に軽くお辞儀をして1組をあとにした。
仕方ない、今日は一人で帰るか