崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
 もう一度文面をなぞり、ひとつの可能性に行き当たった。

「もしかして……」

 これが当たっていたとすれば、コスタ家はとんでもない秘密を抱えていることになる。
 ディーンに一矢報いるのも間違いないと、ジェフリーは一人ほくそ笑んだ。


    ◇ ◇ ◇


 執務室で書類を確認していると、ノックの音が聞こえグレイルが入室してきた。

 レオナルドは入り口をチラリと確認し、また書類へと視線を移す。グレイルの持っている書類の束を見て気が滅入るのを感じた。

 元来軍人のレオナルドは訓練をしているほうが性に合う。しかし、ハイランダ帝国副将軍兼皇都騎士団の団長ともなると、そうも言っていられないのが現実だった。

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