崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「いや、そう言うわけではないんだが。前に少し話した令嬢のことだ」
「ああ、あれ! 誰かわかったのか?」

 カールの表情が、興味津々と言った様子で輝く。

「ああ。コスタ家の令嬢とその家族について調べられるか?」
「コスタ家? 名門騎士家系じゃないか! お前の相手にぴったりだな。よし、俺に任せろ!」

 嬉々としたカールは胸に手を当てると、得意げに笑う。
 カールを見送った後、レオナルドはソファーにもたれかかった。

 そんなことがあり得るはずがない。
 そうは思いつつも、心の中に引っかかりを拭うことはできなかった。


   ◇ ◇ ◇


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