崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「お前は強いな」

 レオナルドはしみじみと告げる。
 こんなに細い体で貴族令嬢が単身騎士団に乗り込んでくるなど、常識では考えられない。
 ましてや、そこで男に混じって騎士としてなんとかやっていっているのだから驚きだ。

「以前よりも強くなりましたか?」

 剣のことを褒められたと思ったアイリスは、くしゃりと表情を崩す。
 そして、花が咲いたかのように嬉しそうにはにかんだ。
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