崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「こんな直前に、作戦変更?」

 そこには、作戦を変更してアイリス達は合図を待たずに先行突入するようにと記載されていた。更に、手紙自体を燃やすようにとも。

「確認しに行くにも時間がないな」

 手紙を握りしめたカインは騎士団で支給されている懐中時計を懐から出し、確認する。作戦実行時間まであと五分もない。

「仕方がない。やるか」
「そうですね」

 持っていたマッチで手紙を指定通り処分し終えたカインが灰を床になじませるようにブーツで踏みつける。アイリスは腰に愛剣がぶら下がっていることを確認し、建物の中に身を投じた。


    ◇ ◇ ◇


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