崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
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気が付いたとき、視界に最初に映ったのは真っ白な天井だった。
その天井からは、シンプルなランプがぶら下がっている。
ぎこちなく首を回すと、少し開けられた窓にかかるカーテンは風で揺れており、その隙間からは真っ青な空が見えた。
体中が痛い。なんとか動く腕を上げると、洗濯したての真っ白な布が目に入り、袖の下の肌に包帯が巻かれているのが見えた。
──なんてこと……。
アイリスは両手で顔を覆う。
自分は意識を失い、医務室に担ぎ込まれたのだろう。
体に巻かれた包帯から判断するに、医師や看護師にも体を見られたはずだ。それは即ち、女であることがバレたことを意味する。