崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
9.除名
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床に散らばる藁を箒で掃くと、それを端に寄せる。集めたごみを麻袋に詰めた。
「よし。綺麗になったかしら?」
アイリスは周囲の床を見渡す。綺麗になった床に今度は真新しい藁を敷いていった。
一匹の薄茶色のワイバーンがひょこりと顔を寄せてきたのでアイリスはその頭を撫でた。
ワイバーンはゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らす。
「今日もいい子ね」
アイリスはその様子を眺めながら、相好を崩す。餌の干し肉や木の実を順番に餌皿に入れてやると、ワイバーンはもぐもぐと頬張った。
事件から数日経って傷が癒えると、アイリスはレオナルドから近衛騎士達や軍の幹部が使うワイバーンの世話を命じられた。今日でその世話を始めて一週間になる。