崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
アイリスがその薄茶色のワイバーンの首を撫でると、ワイバーンは気持ちよさそうに、また喉をゴロゴロと鳴らした。
レオナルドがその様子を見つめて優しく目を細めたことには、気が付かなかった。
◇ ◇ ◇
「さてと、いよいよね……」
その日、ワイバーンの世話を終えたアイリスは、キュッと唇を引き結ぶと自分の姿を見下ろした。
今日の昼間にやって来たレオナルドは、帰り際のアイリスに執務室へ来るようにと申し伝えた。
執務室に呼び出されるのなんて初めてだから、きっと自分の処分が決まったのだろう。
黒の騎士服を着たこの姿も、今日で見納めになるだろう。
入団した日から今日までのことが走馬灯のように甦り、アイリスは慌てて首を振る。
──しっかりしないと。せめて、ディーンは罪にならないように誠心誠意お願いしてみよう。
アイリスは自分を叱咤すると、レオナルドの執務室へと向かった。
レオナルドがその様子を見つめて優しく目を細めたことには、気が付かなかった。
◇ ◇ ◇
「さてと、いよいよね……」
その日、ワイバーンの世話を終えたアイリスは、キュッと唇を引き結ぶと自分の姿を見下ろした。
今日の昼間にやって来たレオナルドは、帰り際のアイリスに執務室へ来るようにと申し伝えた。
執務室に呼び出されるのなんて初めてだから、きっと自分の処分が決まったのだろう。
黒の騎士服を着たこの姿も、今日で見納めになるだろう。
入団した日から今日までのことが走馬灯のように甦り、アイリスは慌てて首を振る。
──しっかりしないと。せめて、ディーンは罪にならないように誠心誠意お願いしてみよう。
アイリスは自分を叱咤すると、レオナルドの執務室へと向かった。