崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
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◇ ◇ ◇
アイリスが近衛騎士団に入団して数日が経った。
近衛騎士のみに許される白い騎士服には、まだ慣れない。
それでも、この制服を着ると自分は近衛騎士なのだという実感が湧き、身が引き締まる思いだった。
「ねえ、アイリスさん。こっちにいらっしゃらない?」
部屋の隅に立っていると、ソファーに腰掛けた皇后──リリアナがこちらを振り返る。淡い紫色の瞳と視線が絡んだ。
近衛騎士となって初めて至近距離で実物を拝見したリリアナ妃は、噂通りの目を瞠るような美女だった。
白い肌、ほんのりとピンクに色づいた頬、ぷるんとした桃色の唇。ぱっちりとした瞳は宝石のアメジストを思わせ、ハーフトップで結い上げたシルバーブロンドの髪は流れ落ちる滝のようだ。
アイリスが近衛騎士団に入団して数日が経った。
近衛騎士のみに許される白い騎士服には、まだ慣れない。
それでも、この制服を着ると自分は近衛騎士なのだという実感が湧き、身が引き締まる思いだった。
「ねえ、アイリスさん。こっちにいらっしゃらない?」
部屋の隅に立っていると、ソファーに腰掛けた皇后──リリアナがこちらを振り返る。淡い紫色の瞳と視線が絡んだ。
近衛騎士となって初めて至近距離で実物を拝見したリリアナ妃は、噂通りの目を瞠るような美女だった。
白い肌、ほんのりとピンクに色づいた頬、ぷるんとした桃色の唇。ぱっちりとした瞳は宝石のアメジストを思わせ、ハーフトップで結い上げたシルバーブロンドの髪は流れ落ちる滝のようだ。