崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
11.異変
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魔法薬の効き目は覿面(てきめん)だった。カトリーンに相談して処方してもらった魔法薬を送ってから数日後には、驚くほど体調がいいとディーンから手紙が来たのだ。
「そうか、よかったな」
朝の訓練でそのことを報告すると、レオナルドは表情を和らげた。
「はい。もしかすると、来年には社交界に出てこられるかもしれません」
手紙には、まるで今までの苦しさが噓のようだと綴られていた。先日は、五分ほどだけれども、一年以上ぶりに剣を握ってみたとも書かれていた。
思ったよりもディーンの社交界入りは早いかもしれないと、アイリスは期待に胸を膨らませる。
「閣下、ありがとうございます」
「俺は何もしていない」
首を横に振るレオナルドを見つめ、アイリスは首を傾げた。