崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「終わったか?」
 
 不意に背後から話しかけられ、アイリスはビクッと肩を振るわせた。振り返ると、総指揮に当たっているレオナルドがドアの前に佇んでいる。各部屋の状況を確認しに来たのだろう。

「はい、終わりました。すぐに他の応援に──」

 レオナルドがアイリスのほうに近付いてきたので、慌てて涙を拭ったアイリスは気丈に答えようとする。

 こちらを見つめるレオナルドの腕が伸びてきて、アイリスの肩にポンと手が置かれた。

「よく頑張ったな」

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