崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「ねえ、よかったらアイリスもドレスを作らない?」
「私ですか? 着る機会がございません」
「でも、今度の舞踏会にはアイリスも来てくれるでしょう? アイリスはとっても綺麗だから、着飾ったら凄く素敵になると思うの!」
リリアナ妃はとっても名案だと言いたげに、目をキラキラとさせて両手を口の前で合わせる。
リリアナ妃の言う『舞踏会』とは、年に一度だけ開催される皇后主催の王宮舞踏会だ。つまり、主催はリリアナ妃ということになる。
「舞踏会の日は、会場周辺で護衛をしているつもりです」
「駄目よ。アイリスは参加するの。わたくしが招待するのだから、絶対に参加して」
リリアナ妃はぴしゃりとアイリスの言葉を否定する。
「しかし、参加するにしても実家への仕送りもありますので贅沢は──」
「大丈夫! これはわたくしからのプレゼントよ。さあ、こっちに来て生地を選んで?」
リリアナが腕を広げて、仕立屋が持ってきた様々な生地を指し示す。
アイリスはおずおずとそちらに近寄った。皇后であり、自身が仕える主であるリリアナに命じられれば、断ることはできない。
「私ですか? 着る機会がございません」
「でも、今度の舞踏会にはアイリスも来てくれるでしょう? アイリスはとっても綺麗だから、着飾ったら凄く素敵になると思うの!」
リリアナ妃はとっても名案だと言いたげに、目をキラキラとさせて両手を口の前で合わせる。
リリアナ妃の言う『舞踏会』とは、年に一度だけ開催される皇后主催の王宮舞踏会だ。つまり、主催はリリアナ妃ということになる。
「舞踏会の日は、会場周辺で護衛をしているつもりです」
「駄目よ。アイリスは参加するの。わたくしが招待するのだから、絶対に参加して」
リリアナ妃はぴしゃりとアイリスの言葉を否定する。
「しかし、参加するにしても実家への仕送りもありますので贅沢は──」
「大丈夫! これはわたくしからのプレゼントよ。さあ、こっちに来て生地を選んで?」
リリアナが腕を広げて、仕立屋が持ってきた様々な生地を指し示す。
アイリスはおずおずとそちらに近寄った。皇后であり、自身が仕える主であるリリアナに命じられれば、断ることはできない。