崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「わあ……」
遠目に見るのと近くで手に取るのでは、全く違う。
一番手前に置かれた生地に手を触れると、滑らかで心地よい質感がした。アイリスが一着も持っていないような高級生地であることはすぐに想像が付く。
「これが似合う気がするわ」
とまどうアイリスを尻目にリリアナ妃が選んだのは、濃い紅色の生地だった。
仕立屋が鏡の前でアイリスにそれを合わせる。リリアナ妃付きになって室内での勤務が増えたことから元来の白さを取り戻し始めた肌が、パッと明るく見える。
「うーん、こっちもいいかしら?」
リリアナ妃は今度は紺色の艶やかな色彩の生地を手に取った。羽ばたく白い水鳥が染め付けてある優美なものだ。
「リリアナ様。本当に私は大丈夫ですので」
「駄目よ。わたくしが見たいの!」
遠目に見るのと近くで手に取るのでは、全く違う。
一番手前に置かれた生地に手を触れると、滑らかで心地よい質感がした。アイリスが一着も持っていないような高級生地であることはすぐに想像が付く。
「これが似合う気がするわ」
とまどうアイリスを尻目にリリアナ妃が選んだのは、濃い紅色の生地だった。
仕立屋が鏡の前でアイリスにそれを合わせる。リリアナ妃付きになって室内での勤務が増えたことから元来の白さを取り戻し始めた肌が、パッと明るく見える。
「うーん、こっちもいいかしら?」
リリアナ妃は今度は紺色の艶やかな色彩の生地を手に取った。羽ばたく白い水鳥が染め付けてある優美なものだ。
「リリアナ様。本当に私は大丈夫ですので」
「駄目よ。わたくしが見たいの!」