崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
◇ ◇ ◇
外に出ると、心地よい風が吹いていた。テラスの下では所々に明かりが点されて、庭園全体を幻想的に浮き上がらせていた。
「ここはこんなに綺麗だったのですね」
「去年も見ているだろう?」
「見ていませんわ。だって、散々でしたもの」
「確かに、大暴れだったな」
レオナルドは去年の一部始終を思い出し、くくっと肩を揺らす。
怪しいものはいないかとテラスの外を確認してから戻ろうとしたら、会場から出てきた三人組。そのうちの一人、見た目はごく普通にしか見えない令嬢が若い男を拳で殴り、吹き飛ばしたのだ。
あんな光景は、これから先も二度とお目に掛かることはないだろう。
外に出ると、心地よい風が吹いていた。テラスの下では所々に明かりが点されて、庭園全体を幻想的に浮き上がらせていた。
「ここはこんなに綺麗だったのですね」
「去年も見ているだろう?」
「見ていませんわ。だって、散々でしたもの」
「確かに、大暴れだったな」
レオナルドは去年の一部始終を思い出し、くくっと肩を揺らす。
怪しいものはいないかとテラスの外を確認してから戻ろうとしたら、会場から出てきた三人組。そのうちの一人、見た目はごく普通にしか見えない令嬢が若い男を拳で殴り、吹き飛ばしたのだ。
あんな光景は、これから先も二度とお目に掛かることはないだろう。