崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
2
アイリスは咄嗟に身を翻してそれを避けた。そして、持っていた箒を剣に見立てて空いていた脇腹に思いっきり打ち付ける。
そのままの勢いで、もうひとりの男にも回し蹴りを食らわせた。
男達は一見すると小柄な少年にしか見えないアイリスのことを完全に舐めていたようで、その一撃は見事に顔面に命中した。ふらついた男が無様に仰向けに倒れる。
「盗んだものを返しなさい!」
アイリスは男の前に仁王立ちする。
「わかったよ、勘弁してくれ」
倒れた男の一人が情けない顔をしながら懐に手を入れ、立ち上がる。
ホッとした瞬間、アイリスは体を強張らせた。
男の手には、財布ではない光るものが握られていたのだ。
──刃物だわ。避けられないっ!
そのままの勢いで、もうひとりの男にも回し蹴りを食らわせた。
男達は一見すると小柄な少年にしか見えないアイリスのことを完全に舐めていたようで、その一撃は見事に顔面に命中した。ふらついた男が無様に仰向けに倒れる。
「盗んだものを返しなさい!」
アイリスは男の前に仁王立ちする。
「わかったよ、勘弁してくれ」
倒れた男の一人が情けない顔をしながら懐に手を入れ、立ち上がる。
ホッとした瞬間、アイリスは体を強張らせた。
男の手には、財布ではない光るものが握られていたのだ。
──刃物だわ。避けられないっ!