崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
──この人は、軍人?
バサリと羽ばたくような大きな音が聞こえ、ハッとして空を見上げる。
上空には、見たこともないような不思議な生き物が旋回していた。
鳥のように飛んでいるのに、鳥ではない。
まるでコウモリのような翼を広げた姿は優に二メートル以上はありそうに見え、二本の足には鋭い爪が生えている。そして、その体はグレーの鱗に覆われており、まるでトカゲのようだ。
「何、あれ……」
生まれて初めて見る生き物を呆然と見上げるアイリスの前で、長身の男性は盗人を足で押さえつけたまま、地面に落ちていた小石を拾いそれを逃げようとしていたもう一人の男に投げつけた。見事に片足に命中した弾みで、逃走中の盗人が足を躓かせ前に倒れた。
「捕らえろ」
いつの間に来たのか、周囲から騎士が数人現れて、あっという間に盗人達を捕らえていった。それを見送ると、ようやく男はアイリスのほうを振り返る。
バサリと羽ばたくような大きな音が聞こえ、ハッとして空を見上げる。
上空には、見たこともないような不思議な生き物が旋回していた。
鳥のように飛んでいるのに、鳥ではない。
まるでコウモリのような翼を広げた姿は優に二メートル以上はありそうに見え、二本の足には鋭い爪が生えている。そして、その体はグレーの鱗に覆われており、まるでトカゲのようだ。
「何、あれ……」
生まれて初めて見る生き物を呆然と見上げるアイリスの前で、長身の男性は盗人を足で押さえつけたまま、地面に落ちていた小石を拾いそれを逃げようとしていたもう一人の男に投げつけた。見事に片足に命中した弾みで、逃走中の盗人が足を躓かせ前に倒れた。
「捕らえろ」
いつの間に来たのか、周囲から騎士が数人現れて、あっという間に盗人達を捕らえていった。それを見送ると、ようやく男はアイリスのほうを振り返る。