崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
「ハイランダ帝国の皇都騎士団へようこそ。諸君を歓迎する。今日はまず、君達の先輩騎士と手合わせをしてもらう。その上で適性を見て正式な配置を決め、皇帝陛下からの叙任式は三日後だ」

 初日から手合わせをしろとは、想像以上にこの騎士隊は厳しそうだとアイリスは気を引き締める。

 皇都騎士団には第一師団から第五師団までの五つの師団がある。実戦の様子を見てその五つのうちどこに配置するかを決めるということのようだった。

 ちなみに、第一師団は宮殿の中枢部を警備するので皇帝にお目にかかることもでき、特に人気が高い。
 そして、第五師団は街中の警備、ならず者の捕獲などをするので新人騎士の間では外れとされていた。

 全員が一旦、闘剣場へと向かう。自分の出番以外は座って静かに観戦するように指示されたので、アイリスは空いている席に腰を下ろした。

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