崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました
帝都騎士隊の入団式典まではあと二時間近くある。
ぐるりと帝都の見回りをしても、十分に間に合うはずだ。
◇ ◇ ◇
そうして訪れた帝都の城下は予想通り、多くの人で溢れていた。
威勢のよい声で客寄せをする八百屋の店主。
仮装して曲芸を披露する大道芸人に、それを見ようと群がる民衆。
籠に手にパンを売り歩く娘。
レオナルドはワイバーンに乗って上空を飛びながら、眼下に広がる光景を観察する。
──何も問題ないか……。
しばらく空から見回ったが、いつもと違うところもない。特に異常はなさそうだと判断し、そろそろ戻ろうと思ったそのとき──。
「だれか! 泥棒だ! 財布を取られた。そいつを捕まえてくれ!」
ぐるりと帝都の見回りをしても、十分に間に合うはずだ。
◇ ◇ ◇
そうして訪れた帝都の城下は予想通り、多くの人で溢れていた。
威勢のよい声で客寄せをする八百屋の店主。
仮装して曲芸を披露する大道芸人に、それを見ようと群がる民衆。
籠に手にパンを売り歩く娘。
レオナルドはワイバーンに乗って上空を飛びながら、眼下に広がる光景を観察する。
──何も問題ないか……。
しばらく空から見回ったが、いつもと違うところもない。特に異常はなさそうだと判断し、そろそろ戻ろうと思ったそのとき──。
「だれか! 泥棒だ! 財布を取られた。そいつを捕まえてくれ!」