現在、片想われ中
『どうする?』
『私が行くよ』
『でもなぁ』
一度代わればしばらくは出てこれない。
それに灯里は高校ではほとんど出て来たことがない。
心配なことが多すぎて不安になる。
『大丈夫、上手にするから』
俺は灯里の意思を尊重すると決めたから、これ以上言うのをやめた。
『後は頼んだぞ』
『うん』
海里は私の奥に沈んでいった。
「・・・・・・私は私」
「・・・・・・?」
目の前の男は頭をハテナにして悩んでいる。
「つまり、灯里でもあるし海里でもある」
まだ分からなそうなので、それからはどういうことなのかを詳しく教えてあげた。
「あの中学3年の初めの頃、事故にあった」
「それは知ってる」
「病院で目が覚めたとき、私の中には海里がいた。死んだはずの海里の人格だけが」
事故の瞬間私は、海里が私を庇って怪我したところを見た。