現在、片想われ中
思えば、一年も経ってこの体も見慣れてきたなぁ。

「くしゅっ」
「大丈夫か?」
「うん、今日ちょっと肌寒いから」

最近、肌寒くなっている。

「早く行こ」

梨亜を見れば、半袖で寒そうにしていた。

「これ羽織っとけよ」

梨亜の肩に俺のジャージをかける。
俺の方が身長は高いからサイズは問題ないはず。
そんなことを考えていたら・・・・・・。

「遅れてすみません」
「遅れました」
「新藤、一言足りないぞ」

この体育教師は中田先生といって、見た目からまさしく体育教師といった感じだ。

「あー、すみません?」
「よーし、それじゃあ野崎は2周、新藤は4周グラウンドを走ってこい」
「せんせー」
「何だ?」
「不平等です」

何で俺は梨亜より2周多いんだよ。
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