現在、片想われ中
「梨亜はテニスの経験者だ」
おそらく西原よりも強い。
梨亜は中学まで部活の軟式ではなく、近所のクラブで硬式を習っていた。
それもたまに優勝していた。
俺一人でも勝つことはできたかもしれないが梨亜と一緒だと圧勝だ。
「仕方ない、今日はこのくらいにしておいてやる!」
ありがちな捨てゼリフを吐きながら俺たちとは逆方向に走って行った。
何気なく時計を見ればすでに体育の授業は残りわずか5分程度・・・・・・。
なので軽くラリーをすることにした。
お互いテニスができるので、打ちながら最小限の動きでほとんど疲れなかった。
しばらくすると授業終わりのチャイムが鳴り、挨拶をして更衣場所に戻る。
「あっ、灯里は先に行ってて。私行くところがある」
「おぅ・・・・・・」
教室まで戻る途中に梨亜はどこかに行ってしまった。
それからお昼になるまで戻ってこなかった・・・・・・。