狼くん、ふれるなキケン!


きゅうに眠たくなって、びっくりした。
まだそんな時間じゃない。


たしかに夜ではあるものの、小学生ではあるまいし、高校生が寝るにはまだぜんぜんはやい時間なのに。




「むー……」




ごしごしと目元をこする。
眠たくて、意識がほわほわしてくる。



ごろんとソファに体ごと預けてしまいたいくらいだけれど、我慢する。まだ寝ないもん。



まだ、ドライヤーもしてないし……。
ただでさえクセっ毛で毎朝苦労がたえないのに、髪を乾かさずに寝てしまった日にはボンバー間違いなし。



だからまだここで睡魔に負けるわけには……とそんな私の意思とは反対に、首がぐらぐらしてくる。またあくび、ひとつ。



うう……どうして、こんなに眠いの。




不思議に思って、ぼんやりする頭で少し考える。


ああ、そっか。

狼くんと朝からふたりきりで、慣れないのと、それから色々忙しなかったから……ちょっと疲れてしまったのかも。




「……んん」




でもまだ寝ない、寝たくない。


だって、そのうち狼くんがお風呂からあがってくるでしょう、そしたら、ここで待っていたら、少しくらいは狼くんとお喋りできるかもしれないも────……。





と、そこで限界がきてしまい。

ぷつん、と意識が途切れた。





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