狼くん、ふれるなキケン!


言われなくてもわかってるよ!

どうせくるくるですよう、さらさらストレートは永遠のあこがれだもん。



むすっとますます頬をふくらませて狼くんを見上げる。





「意地悪な狼くんはきらいです……!」

「……あっそ」





あっそ、なんてテキトーな。

恨めしくジトッと見つめると、狼くんはふいと視線をそらした。“きらい” なんてうそに決まってるけど、ちょっとくらい反応して、落ちこんでくれてもいいのに。



相変わらずそっけない。



けれど、今日は昨日とちがって、朝ちゃんと起きてくれてよかった。


朝に激弱だと判明した狼くんだけど、家事当番の日はさすがにちゃんと起きてくれるらしい。



今日は狼くんが家事の担当。

私が目覚めたときには、狼くんはキッチンで寝ぼけながらも朝ごはんをつくってくれていた。ピザトースト。




なるべく一緒にごはんを食べる、というおやくそくもちゃんと守ってくれて、一緒にピザトーストをかじったよ。




狼くんのトーストにたっぷりかかっていたマヨネーズは見ないふりをした。


仕方ない、ゆるしてあげよう。私は狼くんとちがって器が大きいからね……っ!





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