狼くん、ふれるなキケン!


今日は、久しぶりにポニーテールにしようかなって髪をまとめて上にあげたら。




「なにこれ……」




赤く、なってる……?
見覚えのないそれに戸惑う。


あらわになった首すじに一箇所、ぽつんと赤くなっているところを発見。一見、ヘアアイロンで火傷したのかなって思ったのだけれど。




「狼くん」




ちょいちょい、と狼くんの袖をひく。
うっとうしそうに視線をよこした狼くんに首のその痕を見てもらう。




「これ、なにかわかります……?」




火傷じゃないのは、よく見ればすぐにわかった。

外側からのキズというよりは、内側から滲んで赤くなっているんだもん、ヤケドだとこうはならないはず。



どちらかというと痣にちかい、けれど、どこかにぶつけたような記憶もないし、たしか昨日まではこんなのなかった。




「……」

「狼くん……?」

「……うざ」

「なんですか急にっ」




いま、そんな悪態つかれるようなことしてない……!

むすっと頬を膨らませる。





「蚊にでも食われたんだろ」




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