狼くん、ふれるなキケン!
絶対わざと、確信犯。
弱いところばっかり、ねらってくすぐる指先に、思わず声をあげてしまう。だって、ほんとうにくすぐったい……!
「ポニーテールっていいよね」
「なにがですかっ」
「噛みつきたくなるっていうかー」
「はい……っ?」
探るみたいに、首もとをするっと指先がくぐりぬける。
触れるかふれないかの位置を軽くすべっていく、まやくんの容赦ない指先に息をひそめてこらえていると。
「ひなちゃんって、ほんときれーな肌してる……って────あれ」
「……?」
急にぴたりとまやくんの動きがとまる。
凍りついたまやくん、すこし強ばったその表情。
「まやくん……?」
不思議に思って、まやくんの名前を呼ぶ。
と、金縛りが解けたようにまやくんが表情をゆるめた。
ただ、さっきまでと違うのは、にやりと口角にいじわるな笑みを浮かべていること。
「ねー、ひなちゃん」
「はい……?」
「面白いもの、つけてるね?」