狼くん、ふれるなキケン!


き、すまーく?

頭にぽこぽこはてなマークをいくつも浮かべていると、そんな私の表情にまやくんは、ふはっと吹き出した。



「そんな気はしてたけど、ひなちゃんってそーとーウブだよねー」

「……っ?」

「その痕、わかる奴が見ればすぐにわかるよ、牽制だって」

「牽制……って」




どうしてそんなことが言えるの、って疑問をぶつける前にまやくんが先回りする。




「俺のですってマーキングしてんの、他の男に手出しすんなよって」





動物がナワバリ張るのとおんなじようにね、ってまやくんは言う。


けれど、ぜんぜん頭が追いついていない。
仮に、この赤くなってるのがキスマーク……というものだとして、誰がいったいどうやって。




「誰かにやらしーキスとかされなかった?」

「……!?」





唐突なまやくんの質問に目を見開いて思いっきり首を横にふる。

なんで、いきなり、そんなこと聞くの。




そう思ったのはまやくんにはバレバレだったようで、呆れたように鼻で笑われた。





< 138 / 352 >

この作品をシェア

pagetop