狼くん、ふれるなキケン!
まやくんは、何とも思わないのか、って聞いているんだ。
私とまやくんがちゅーしたり、色々、いわゆる “そういうこと” をしたりすることを、狼くんは何も思わないのかって。
黙りこんだままの狼くん。
その表情は苛立たしげにも見えるし、それとも無言の肯定なのかもしれない。
“ 本気なら、わたしがまやくんとキスしてもいい ”
狼くんがそう思っているとしたら。
そう思っているなら────私は、かなしい、よ。
だって、私はいやだもん。
狼くんが他の女の子にさわったり、キスしたり、そんなの。
こんなところでしっかり実感してしまって、ぎゅっと唇を噛みしめた。
「はっきりすればいいだけの話でしょ」
まやくんが呆れたように口を開いた。
目線はまだしっかり狼くん一直線だ。
「要するに、お前はひなちゃんの何なの」
「……」
「ひなちゃんのこと、どう思ってるわけ?」